椅子置き場

女性向けゲームアプリについての考察その他

ゲームアプリはサービス終了を克服できるのか

こんにちは、椅子です。

最近はコロナウイルスの流行もあり、家に引きこもって仕事とゲームの日々です。

皆様も体調には十分お気をつけてお過ごしくださいませ。

 

 

本題です。

昨今、ゲームアプリをプレイする上で切っても切り離せないのが、サービス終了についての話題です。

以前の記事でも書きましたが、今やゲームが長続きするかどうかは、新しくゲームを始める上で最も重要な要因の一つと言っても過言ではありません。

今のゲームアプリユーザは、常にサービス終了に怯えています。

そしてもちろん、運営も同じくサービス終了に怯えていることでしょう。

 

ぼくたちユーザや運営は、このハイペースで繰り返されるサービス終了の恐怖から永遠に逃れることはできないのでしょうか。

ぼくはそうは思いません。

むしろ、ゲームアプリ市場はそろそろ次のステップへ進むのではないかと考えています。

 

今日はそんな話を書きたいと思います。

いつもながら、一ゲームアプリユーザの妄想としてお読み頂けますと幸いです。

 

 

 

ゲームアプリの短命化

そもそもの前提として、ぼくは今後リリースされるゲームのほとんどは長続きしないと思っています。

理由は、鶏と卵ではありますが、ユーザがゲームアプリは早期にサービス終了する可能性があるということを知ってしまったからです。

 

現在長続きしていると言われているゲームアプリが登場したのは2015年前後です。

この頃、ほとんどのユーザはまだゲームがサービス終了することを意識してはいませんでした。

自分が使いたいだけお金を使い自分が遊びたいだけの時間遊べるサービスとして、ある種買い切りの商品よりも『選択の権利』が機能していると思っていました。

それから数年。

数多くのゲームの登場と終了を経て、ユーザはゲームアプリがサービス終了することを知りました。

つまり、時間に対する『選択の権利』が機能しておらず、サービスの継続性に対する信頼がないと気づいてしまったのです。

そして、もちろんそれはお金に対する『選択の権利』にもネガティブな影響を与えます。

今新しいゲームを始める場合、まず「いつ終わるかわからないから最初は無課金(微課金)で様子をみよう」と考えることが多いと思います。

多くのゲームは基本プレイ無料なので消費者としてこの思考は至極当然ではあるのですが、前述の通り黎明期(2013年から上記2015年頃とします)はこの認識が欠落していました。

結果として、新しいゲームの継続性に対するユーザの考え方には、黎明期と現在で大きなギャップが生じているのです。

一方で、初動でお金を落としにくくなったユーザに反して開発側が初動で求める回収額は増額しています。

市場がレッドオーシャン化したことで、新規ゲームアプリが求められるクオリティのハードルは年々上がり続けており、それに伴って開発コストも増加し続けています。

その結果、多くの新規ゲームは初動でコスト分を回収できず、徐々にサービス終了へと追い込まれていくのです。

 

また反対に、今長続きしているゲームは今後もある程度続くのではないかとも思っています。

理由は、これまたニワタマなのですが、そのゲームがサービス終了していないからです。

2015年時点でリリースされていたゲームであれば、2020年現在で5周年となります。

多くのゲームが1,2年でサービス終了する中、5年継続しているという事実は継続性に対してかなり強度な信頼があると言えます。

そして、継続性を重要視する現代のユーザは信頼性が高いゲームに集まり、ユーザが集まったゲームはさらに継続する可能性が高まります。

 

つまり、現在のゲームアプリ市場は新規ゲームがサービス終了することによって既存ゲームの継続性が高まり、また既存ゲームの継続性が高まることで新規ゲームに対するユーザの目がさらに厳しくなるという、典型的な衰退市場となってしまっているのです。

 

では、どうすれば新規ゲームアプリは継続性という観点でユーザの信頼を得ることができるのでしょうか。

継続性をアピールするためには、実際に継続しているという事実の提示が一番効果的です。 

というわけで少し角度を変えてみます。

ゲームアプリをリリースする前に、何らかの方法で継続の実績を作ることは可能なのでしょうか。

 

プロジェクト化といふもの

先日、『千銃士』の公式Twitterが下記のようなツイートをしました。

 

このツイートで、千銃士は『千銃士プロジェクト』という言い方をしています。

このハッシュタグは、2019年6月11日の千銃士のゲームアプリサービス終了と同時に公式より使用され始めました。

つまり、ゲームのサービス終了に伴って、一旦別コンテンツを展開していく方針に舵を切ったということでしょう。

もちろん、当初は運営もゲームプロジェクトとして立ち上げていたと思うので、苦渋の決断だったとは思います。

しかしこの決断の結果、その後もCDや資料集のリリースが続き、2020年2月24日には2回目のライブが実施され現在は新作アプリ開発中との情報まで解禁されています。

 

また、先日アプリ内コンテンツの更新終了を発表した『DREAM!ing』も、‏併せて今後の展開について数多くの発表がありました。

 

ここではツイートは割愛させて頂きますが、現在トークライブ、メインストーリー更新、楽曲・ドラマCD発売、ミュージカル化が決定しているとのことです。

(詳細につきましては公式Twitterをご確認ください)

 

ぼくは、この『プロジェクト化』こそがゲームアプリの求める継続性の信頼に繋がるのではないかと考えています。

プロジェクト化は決して疲弊を早める多方面展開ではなく、今できることを継続していくという運営方針です。

これはつまり、各作品がユーザ数や売り上げなどの状況に合わせて、無理のない媒体でコンテンツを提供することができるということです。

 

前述した通り、現在のゲームアプリ市場で継続性に対する信頼がない新規ゲーム継続性に対する信頼がある既存ゲームと対等に戦うことは最早不可能です。

まずは作品をプロジェクト化し、出来ることを継続的に運営することで、ユーザから「この作品ならきっとゲームアプリも運営できるだろう」という信頼を得ることこそが、今後のゲームアプリ市場への参入に求められる条件なのではないでしょうか。

 

 

閑話休題ヒプノシスマイクゲーム化について

ことプロジェクト化において、『ヒプノシスマイク』はかなり先見の明があったように思います。

楽曲を中心とした無理のないコンテンツ展開を継続することによってユーザの信頼を勝ち取り、その上で多方面に展開し成功を収めています。

2020年3月にはリズムゲームヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-』もリリースされ、初月売り上げで女性向けアプリTop5に入るという好調なスタートを切っています。

プロジェクト化の先駆けが満を持してリリースしたゲームアプリが市場にどのような影響をもたらすのか、今後の展開が非常に楽しみです。

 

 

運営からユーザへの歩み寄り

『千銃士』と『DREAM!ing』のプロジェクト化は大変素晴らしいことだと思います。

そしてなにより、ぼくはこの二つのプロジェクト化には運営からユーザに向けられた二つのメッセージがあると思っています。

 

メッセージその1:プロジェクト化はその場しのぎの方便ではない

一つ目は、プロジェクト化は決してゲームアプリのサービス終了をごまかすための綺麗事ではなく、運営も可能であればゲームアプリを再開・新規開発しようと思っているということです。

千銃士を好きでプレイしていたぼくは、サービス終了当初は「プロジェクトって言われてもゲームはもうサービス終了しちゃうし、決まってたグッズとかCDは出すよってことなんだろうなー。」くらいに考えていました。

しかし、グッズはゲーム未実装の新規キャラクターまで含めたものが展開され、公式Twitterの更新も止まりません。

そしてサービス終了から一年後、たぶんこれで一区切りにするんだろうなと思いながら参加したライブで、新規ゲームアプリが発表されました。

正直、見誤っていたなと思いました。

千銃士の運営はぼくが思っている以上に、プロジェクトのことを、そしてゲームアプリのことを考えてくれていました。

もちろん、全てのプロジェクトの運営がそうなのかはわかりません。

しかし、DREAM!ingの公式Twitterもアプリ更新終了のツイートに続けて、サービス終了ではないということを何度もユーザに伝えてくれていました。

このことは、ユーザに対して今まで以上に運営を信じてみるという選択肢を与えてくれたような気がします。

 

メッセージその2:ゲームアプリ運営の難化

もう一つは、ゲームアプリの運営は黎明期に比べて格段に難しくなっているのだろうということです。

DREAM!ingは、ゲームアプリ更新終了発表と併せて、トークライブ、メインストーリー更新、楽曲・ドラマCD発売、ミュージカル化を発表しました。

これは少し極論ですが、ゲームアプリの継続運営にはこれら全てを実施することに匹敵するコストがかかるということではないでしょうか。

ぼくたちゲームアプリユーザは、ゲームアプリを主として考えてしまいがちです。

しかし、今やゲーム化はプロジェクトの中でもかなり上位の目標となっているのかもしれません。

そのことを受け入れ、ゲーム以外のコンテンツも応援することこそが、プロジェクトのゲーム化に繋がるのではないかと考える次第です。

 

 

最後に

長々と思うところを書きましたが、言いたかったことはアプリをプロジェクトの一部として捉え、他コンテンツごと推していくことこそがゲームアプリそのものの寿命にも繋がるのではないかということです。

 

ゲームアプリ市場は運営とユーザの溝が深い市場です。

いくら課金すればどうなるのか。

何が足りなかったからサービス終了してしまったのか。

肝心なところは完全にブラックボックスです。 

しかし、今回の2件のプロジェクト化は確実に運営からユーザに対しての歩み寄りだと思っています。

 

運営は、ゲームアプリの現状可能性をぼくたちユーザに示してくれました。

次は、ぼくたちユーザがプロジェクト化を受け入れ、運営に歩み寄る番なのかもしれません。

 

 

おまけ

ぼくも、これを機に色々なコンテンツに触れてみようかなと思っています。

需要やプラットフォームの豊富さから一周まわって次は音声コンテンツが再燃するのではと予想しているので、唾つけがてらそのあたりから。

手始めに未履修だったDREAM!ingメインストーリー第3部を購入してみました。

ちなみに、何も知らないくせにオタクなのでモノが欲しくて配信カード版を買いました。

4月6日まで購入できるみたいなので、興味のある方はいかがでしょうか。

 

colopl.co.jp