椅子置き場

女性向けゲームアプリについての考察その他

ソシャゲの事前登録がサービス終了を促進していると思った話

こんにちは、椅子です。

最近また新しくゲームアプリを始め、充実したひきこもり生活を過ごしております。

 

 

昨今のサービス終了ラッシュの影響からか、体感ですが最近はゲームアプリのリリース頻度が低くなっているように思います。

製作側もアプリに対して慎重になっており、今後は以前のようなリリース連発はなくなるのかもしれません。

アプリが悲しい死を回避できるのは非常に喜ばしいことですが、新規アプリがリリースされなければゲームアプリ市場は衰退してしまいます。

市場が衰退しないために、ぼくたちユーザはどのようなアプローチができるのでしょうか。

 

ぼくは最近、安易にアプリの事前登録をしないことが逆に市場の衰退を防ぐのではないかと思っています。

正確には、現状の形式の事前登録であればしない方がよいのではないか、という意味です。

アプリを応援するための事前登録をしないというのは、一見矛盾しているかもしれません。

しかし現状の形式の事前登録は、現在のゲームアプリ市場にとって明らかにマイナスになっているように感じてしまうのです。

 

今回はそんなお話を書きたいと思います。

 

 

事前登録に対するユーザの認識

事前登録とは、皆様ご存知の通りゲームアプリのリリース前にメールアドレスなどを登録することによって無料で参加できるキャンペーンです。

キャンペーンの内容は様々ですが、リリース後にゲーム内アイテムがもらえる等が一般的です。

また、扇動性を高めるために登録者数に応じた報酬の追加などが設定されている場合も多いです。

 

そんな事前登録ですが、正直ぼくたちユーザはキャンペーンの内容にはあまり興味を持っていません

リリース前ではもらえる報酬にどのくらいの価値があるのかわからないし、かといって登録すること自体には別にデメリットはありません。

言い方はあれですが、どっちでもいいというのが正直な感想だと思います。

あまり興味がないアプリでも「無料だしとりあえずやっとくか~」くらいの気持ちで登録している方が多いのではないでしょうか(ぼくもそうです)。

 

しかし、恐らく運営としては事前登録に対してユーザがそのような考えになるのは想定の範囲内です。

むしろ、これこそが事前登録という機能の本質であり、ゲームアプリ運営にとっての価値となります。

というのも、そもそも事前登録はユーザのためのサービスではなく運営のための集客施策だからです。

では、事前登録は運営にとってどのような価値があるのでしょうか。

 

 

事前登録がゲームアプリ運営にもたらす価値

事前登録では、特に運営に収益は発生しません。

事前登録が運営にもたらす価値は、主に下記の2点となります。

① タイトルの知名度向上
② タイトルに興味を持っているユーザ数の把握

①は、SNSでの拡散や外部ランキングサイトへの掲載によって得ることができる広告的な価値です。

これによって、リリース前から作品を多くのユーザに知ってもらう機会が増えます。

②は、①の結果得ることができる情報的な価値です。

これを把握することで、リリース後のスケジュールや運営予算を組み立てることができます。

このコマーシャリング兼情報収集が、事前登録の本質であり最大の価値です。

 

しかし、これは本当にメリットとして作用しているのでしょうか。

ぼくは、この事前登録の価値は現在のゲームアプリ市場とは全くかみ合っていないと思っています。

 

 

事前登録が現在のゲームアプリ市場に与える影響

次々に新しいゲームアプリがリリースされていたソシャゲ戦国時代では、ユーザがゲームを継続してプレイするかの判断基準の一つにプレイ人口数があったように思います。

興味なかったけど周囲がプレイしているからやってみよう、新規タイトルがリリースされたからとりあえずしばらくやってみよう、みたいな経験は誰しもがあるのではないでしょうか(もちろんぼくもあります)。

このようなユーザが多い場合、タイトルの知名度はかなり大きな武器となります

多くの人がプレイしているように見えることが、そのままユーザがゲームを続けるかの判断材料になり得るからです。

 

しかし現在のユーザは、ゲームアプリ市場は厳しい世界であり、どのタイトルも常にサービス終了と隣り合わせであるということを知りました。

またスマホで楽しめる娯楽も増え、何に時間を割くかをより強く意識するようになっています。

つまり現在のユーザは以前に比べて、知名度や噂だけではなく自分でそのゲームをプレイしたうえで時間を割く価値があるかを判断するようになっているのです。

こうなると、事前登録者数などの見せかけの数値は最早逆効果です。

ちょっとしたマイナスポイントにも、「事前登録者数はこんなに多かったのに」とか「あれだけ宣伝していたのに」という負のイメージが加算されてしまいます。

 

このユーザの変化によって、運営視点でもすれ違いが発生します。

前述の通り、ユーザは軽い気持ちで事前登録をしています。

しかし、実際にゲームをプレイし始めてからはそれぞれの価値観に基づいて判断を下すため、各ユーザがそれぞれのタイトルに望んでいるものは十人十色となります。

そして、もちろんそれは運営には全く伝わっていません

つまり運営視点では、たくさんの事前登録者がいたのにいざアプリをリリースしたら収益が芳しくないという状況になります。

さらにテコ入れしようにもユーザの要望は一様ではないため、ベストな解答が存在しないまま試行錯誤を繰り返すことになってしまうのです。

 

ぼくは、事前登録機能と現在のユーザ心理のすれ違いによって生まれたこの負の循環がユーザと運営双方の懐疑心を促進させ、果てはサービス終了にまで繋がってしまうのではないかと考える次第です。

 

 

無言の訴え

言いたかったことは、ユーザとして何に興味があるのかをもう少し明確にアピールできる機会が欲しいということです。

例えば、「このゲームは推しの声優さんがでてるからやってみたい」と興味を持つ方は多いと思います。

もちろんこれは正直な気持ちだとは思いますが、今のゲームアプリユーザは絶対にもう一歩踏み込んで考えている気がするのです。

具体的には、

「このゲームは推しの声優さんがでてるから(ゲーム性が面白いなら)やってみたい」

「このゲームは推しの声優さんがでてるから(時間をあまりとられないなら)やってみたい」

などです。

これをアピールできない限り、運営とユーザの認識の齟齬は発生し続けるのではないでしょうか。

 

現在のゲームアプリは、事前登録の時点ではゲームについて詳細な情報が出てきていないことがほとんどであり、またユーザ側から希望をアピールするフローは基本的にありません。

だったらせめて、すれ違いを引き起こす原因である事前登録をしないという選択肢もあるのではないかと考える次第です。

 

 

なんだかんだ書きましたが、新規アプリが発表されて事前登録が始まったときのワクワク感はとても好きです。

冒頭にもちらっと書きましたが、最近は2020年6月23日にリリースされた『Pokémon Café Mix』をプレイしています。

ぼくには少し難易度が高めですが、かわいいパズルゲームなので興味のある方は是非プレイしてみてください。

www.pokemon-cafe-mix.jp